テスラ株14%急落、時価総額22兆円消失──マスク氏とトランプ氏の確執が引き金に

Jun 6, 2025
Tesla, Inc.
テスラ株14%急落、時価総額22兆円消失──マスク氏とトランプ氏の確執が引き金に

テスラ株14%急落、その背景に何が?

2025年6月5日、テスラ株は一日で14%も急落し、時価総額にして約1,500億ドル(約22兆円)が消失しました。これは2020年以来の大幅な下落であり、米国株式市場全体にも大きな衝撃を与えました。今回の急落の最大の要因は、イーロン・マスクCEOとドナルド・トランプ大統領の間で表面化した確執です。両者の関係は、ここ数日で一気に悪化し、米国のEV政策や政府契約の行方に対する不透明感が一気に高まりました。

マスク氏とトランプ氏の確執、なぜ注目された?

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トランプ大統領は6月5日、マスク氏が自身の推進する税制・歳出法案に公然と反対したことに対し「非常に失望している」と発言。これに対しマスク氏はX(旧Twitter)で「私がいなければトランプ氏は大統領になれなかった」と強く反論しました。トランプ氏はさらに、テスラやスペースXなどマスク氏の企業への政府支援や契約の打ち切りを示唆。これが市場に大きな不安をもたらし、テスラ株は取引時間中に一時18%安まで売り込まれる場面もありました。

EV優遇策廃止への懸念が拡大

今回の対立の発端は、EV(電気自動車)向け税額控除などの優遇策を盛り込んだ法案へのマスク氏の批判です。トランプ政権はこれらの優遇策を廃止する方向で動いており、テスラの今後の販売や利益に大きな影響を及ぼすと見られています。JPモルガンなどのアナリストは、優遇策廃止による利益減少が年間12億ドル規模に達する可能性を指摘しています。

業績悪化と経営不安も重なる

テスラは2025年第1四半期決算で純利益が前年同期比71%減と大幅に落ち込み、納車台数も13%減少しました。中国や欧州での販売不振、競合の台頭もあり、成長ストーリーに陰りが見えています。こうした中での経営トップの不安定な発言や政治リスクの高まりが、投資家心理を一層冷やしています。

ロボタクシーや新事業への期待と現実

一方で、テスラはオースティンでのロボタクシー「Project Rodeo」や人型ロボット「オプティマス」など新規事業にも注力しています。6月からは社員ドライバーによるロボタクシーのテスト運行が始まる予定で、年内にも商用化が期待されています。しかし、こうした成長戦略も短期的な株価下支えには至らず、市場は依然として先行き不透明感を強く意識しています。

投資家・市場参加者の反応と今後の見通し

今回の急落を受けて、テスラ株は一時300ドルを割り込み、終値は284ドル台と約1カ月ぶりの安値を記録しました。売買高も通常を大きく上回り、投資家の動揺が広がっています。アナリストの間では「短期的にはさらなる下落リスクがある」との見方が強まる一方、ロボタクシーや新興市場での成長に期待する声も根強く残っています。

米国市場・EV業界全体への波及効果

テスラの急落は米国株式市場全体にも影響を及ぼしました。S&P500やナスダックも下落し、特にEV関連銘柄への売りが目立ちました。米中の消費減退やインフレ、金利上昇などマクロ環境の悪化も重なり、世界の投資家は今後の米国EV市場の動向を注視しています。

日々の価格変動まとめ

6月5日のテスラ株は、取引開始時点で322ドル台だったものの、午後には300ドルを割り込み、終値は284ドル台で14%安となりました。取引時間中には一時18%安まで下落する場面もあり、時価総額は1日で22兆円減少しました。

テスラの未来と投資家へのメッセージ

今回の急落は、テスラが直面する「政治リスク」と「成長鈍化」の二重苦を象徴しています。イーロン・マスク氏の発信力や新規事業への期待は依然として高いものの、経営の安定性や政策環境への対応力が今後の株価を左右しそうです。みなさんはこの動きをどう見ますか?今後もテスラの一挙手一投足から目が離せません。

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