全米2,000カ所で「No Kings」デモ勃発 トランプ政権と軍事パレードに若者たちが声を上げた日

「No Kings」デモとは?アメリカ社会を揺るがす新たなムーブメント
2025年6月14日、アメリカ全土が揺れました。この日、トランプ大統領の誕生日と陸軍創設250周年を祝う軍事パレードに合わせて、「No Kings(王様はいらない)」をスローガンにした大規模抗議デモが全米約2,000カ所で一斉に開催されました。主催者は「王座も王冠も、王様もいらない」と訴え、権力の集中や民主主義の形骸化に警鐘を鳴らしました。みなさんは、こうした市民の声がどこまで社会を動かすと思いますか?
ロサンゼルス発、全米へ拡大:移民政策への怒りと不安

今回のデモの直接のきっかけは、ロサンゼルスで続いていた不法移民摘発への抗議行動でした。ICE(移民税関執行局)の強硬な取り締まりに対し、現地では6日間連続でデモが発生。トランプ大統領はこれに対し、約700人の海兵隊や4000人の州兵を派遣。現地では連邦ビル前で警察とデモ隊が衝突し、ゴム弾や催涙ガスが使用される場面も。市民の間では「公共に奉仕する概念がない」「現状を変えてほしい」など、強い不満の声が上がりました。
デモの規模と広がり:2,000カ所、数百万人が参加
「No Kings」デモは全米の大都市から地方都市まで、約2,000カ所で実施されました。ニューヨーク、フィラデルフィア、シカゴ、ヒューストン、アトランタ、ロサンゼルスなど主要都市では数万人規模の人々が集結。主催者によると、全米で500万人以上が参加したと推計されています。各地の公園や裁判所前、コミュニティセンターなどが集会の舞台となり、若者から高齢者まで幅広い世代が声を上げました。皆さんの街でも、こうしたデモがあったのでしょうか?
軍事パレードと州兵動員:権力の誇示か、民主主義の危機か

ワシントンD.C.では、トランプ大統領主導の軍事パレードが派手に開催されました。一方、バージニア、テキサス、ネブラスカ、ミズーリなど共和党系の州では、州兵が動員され、デモ対応にあたりました。連邦政府は「暴力や破壊行為にはゼロ容認」と強調し、違法行為には厳しく対処。ロサンゼルスでは600人以上が逮捕され、混乱が続いています。こうした強硬対応は、かえって市民の反発を強めているとも指摘されています。
現場の声:なぜ人々は立ち上がったのか
デモ参加者の多くは、移民政策だけでなく、トランプ政権の強権的な姿勢や民主主義への危機感を訴えています。「大統領職を自分や家族の利益のために使っている」「本当の変化がほしい」といった声がSNSやインタビューで拡散。ニューヨークの移民二世ミレラ・カマチョさんは「両親と自分の未来のために歩いた」と語り、ベトナム帰還兵のジョン・カニンガムさんは「大統領からアメリカを守る日が来るとは思わなかった」とコメント。家族連れや若者、退役軍人など、多様な層が「民主主義を守る」ために参加したのが特徴です。
各地の対応と今後の展望
テキサス州ではアボット知事が5,000人超の州兵と2,000人の州警察を動員し、ヒューストンやダラスで厳戒態勢を敷きました。ポートランドやシアトルでもICE施設周辺で緊張が高まり、一部で暴動宣言が出されました。多くの都市で夜間外出禁止令や交通規制が敷かれ、公共交通機関にも影響が出ました。主催者は「非暴力」を強調しつつも、一部で過激化や衝突が続いています。今後も抗議活動が続く見通しで、2026年の中間選挙に向けて社会の分断がさらに深まる可能性も指摘されています。
「No Kings」運動の本質と世界への波紋
「No Kings」運動は、200以上の市民団体や労組、環境団体、地域グループが連携して組織されました。主な目的は「民主主義の再生」「権力の集中への反対」「移民の権利擁護」。アメリカ国内だけでなく、カナダやメキシコ、ヨーロッパでも連帯デモが行われ、世界中の注目を集めました。主催者は「これは始まりに過ぎない」とし、今後も継続的な運動を続けると宣言しています。皆さんは、こうした市民運動が社会を変える力になると思いますか?
歴史の転換点となるか?2025年6月14日の意味
今回の「No Kings」デモは、アメリカ社会の分断と民主主義の危機を象徴する出来事として記憶されるでしょう。賛否は分かれるものの、数百万人の市民が声を上げた事実は重く、今後の政治や社会運動に大きな影響を与えることは間違いありません。歴史はこの日をどう評価するのか——それはこれからの私たち一人ひとりの行動にかかっています。
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