米中貿易合意、再び対立激化―互いに「合意違反」非難の応酬

米中貿易合意、再び揺れる―最新の対立の背景
皆さん、最近のニュースはご覧になりましたか?2025年6月2日現在、米中間の貿易合意をめぐる対立が再び激化しています。5月末、トランプ米大統領がSNSで「中国は合意を完全に破った」と発言し、合意違反を強く非難しました。これに対して中国商務省は、「合意に違反しているのはむしろ米国だ」と真っ向から反論。両国の主張が真っ向からぶつかり合い、国際社会も固唾を呑んで見守っています。
合意内容とその経緯―なぜ対立が再燃したのか

先月スイス・ジュネーブで行われた米中協議で、両国は互いに課していた追加関税を大幅に引き下げ、90日間の「交渉猶予期間」を設けることで合意しました。米国は関税を30%に、中国は10%に引き下げることで一時的な緊張緩和を狙いました。しかし、合意後も米国はAI半導体の輸出規制や半導体設計ソフトの販売停止、中国人留学生へのビザ取り消しなど、追加的な制限措置を発表。中国側は「米国こそが合意を損なっている」と強く反発しています。
トランプ政権の主張―中国はレアアース輸出や非関税障壁で違反?
トランプ大統領は、中国がレアアース(希土類)輸出の遅延や非関税障壁の撤廃を履行していないと主張しています。レアアースはハイテク産業や軍需に不可欠な資源であり、米国は安定供給を強く求めています。さらに、米国は中国の一部産業に対し、鉄鋼・アルミ製品への追加関税を6月4日から50%に引き上げると発表。これにより、米中間の緊張は一層高まっています。
中国の反論―合意履行を強調、米国の追加制裁を批判
中国商務省は2日、「中国は合意内容を誠実かつ厳格に履行している」と強調し、米国の主張を「根拠がない」と断固否定しました。さらに「米国はAI半導体の輸出規制や中国人学生のビザ取り消しなど、差別的かつ制限的な措置を続けている」と批判。「米国が中国の正当な利益を損なうならば、断固たる措置を取る」と警告しています。
市場の反応―日経平均600円超下落、リスク回避ムード強まる
この対立を受けて、2日の東京株式市場では日経平均株価が一時600円以上下落し、終値は前日比494円43銭安の37,470円67銭となりました。米中貿易摩擦の再燃や関税強化への懸念から、半導体関連銘柄を中心に売りが広がり、リスク回避の動きが強まりました。香港市場も続落し、世界の投資家が米中関係の行方を注視しています。
AI半導体・学生ビザ問題―技術覇権と人材交流も対立の火種に
今回の対立は単なる関税や貿易赤字だけでなく、AI半導体など最先端技術の輸出規制や、学生ビザの取り消しといった人材交流の分野にも広がっています。米国は国家安全保障を理由に中国への先端技術流出を防ごうとする一方、中国はこれを「不当な差別」と受け止めています。技術覇権争いと人材流動の制限が、今後の世界経済にどのような影響を与えるのか、注目が集まっています。
政治・文化的背景―米中対立の根は深い
米中貿易摩擦の背景には、単なる経済利害を超えた政治的・文化的な対立も存在します。米国ではトランプ大統領の強硬姿勢が国内の支持を集め、中国では「国家の主権と発展を守る」というナショナリズムが強調されています。双方が国内世論を意識し強硬姿勢を崩さないことで、妥協点を見出すのがますます難しくなっています。
今後の見通し―90日間の猶予期間は維持できるのか?
両国は「対話の継続」を表明していますが、信頼関係は著しく低下しています。トランプ大統領と習近平国家主席の直接会談が行われる可能性も報じられていますが、具体的な進展は見えていません。レアアースやAI技術、学生ビザなど多くの争点が山積し、90日間の猶予期間がこのまま維持されるのか、世界中が注目しています。皆さんはこの米中対立、どこまで続くと思いますか?