テスラ、2025年第2四半期の納車台数が14%減少—株価はなぜ上昇?

テスラ第2四半期納車台数14%減の衝撃とその背景
皆さんはご存じでしたか?2025年7月2日、テスラは第2四半期(4〜6月)の世界納車台数が38万4,122台と発表しました。これは前年同期の44万3,956台から約14%減少という厳しい数字です。2023年の同四半期(46万6,140台)と比べても18%減。2025年上半期の累計納車台数も前年同期比13%減となり、テスラの成長神話に陰りが見えてきました。
モデル別動向—モデル3/Yは健闘も、他モデルは大幅減

今回の生産台数は41万244台で、前年同期比0.1%減とほぼ横ばい。しかし、納車台数は大きく落ち込みました。モデル3/Yは39万6,835台を生産し、37万3,728台を納車。その他(モデルS/X、サイバートラック等)は1万394台と、前年から半減以上。特に高級モデルや新型サイバートラックは需要が伸び悩んでいます。
なぜ納車が減った?—競争激化とブランドイメージの変化
納車減少の背景には、BYDなど中国勢をはじめとする競合EVメーカーの攻勢があります。BYDは同期間に60万6,993台を販売し、前年比42.5%増。GMも米国でEV販売台数を倍増させています。一方、テスラはモデル刷新の遅れや、イーロン・マスクCEOの政治的発言によるブランドイメージ悪化も指摘されています。ヨーロッパでは反マスク感情が拡大し、需要減退に拍車をかけました。
株価はなぜ上昇?—AI・ロボタクシーへの期待と投資家心理
意外なことに、納車台数減少発表後、テスラ株は5〜6%上昇しました。なぜでしょう?市場は短期的な販売よりも、AIや自動運転(FSD)、ロボタクシー事業への期待を重視しているからです。テスラはテキサス州オースティンでロボタクシーの限定運用を開始し、将来的な収益源として注目されています。投資家は「今が底」と見て、長期成長に賭けているのです。
日々の株価変動と市場の反応
2025年7月2日の納車発表直後、テスラ株は前日比約5%上昇し、315ドル台で取引を終えました。年初来では25%以上下落していますが、ここ数日は反発基調。オプション市場では今後も5%前後の大きな値動きが予想されています。アナリストの間では「最悪期は脱した」との声もあれば、「今後も需要回復が見込めなければ2年連続の減少もあり得る」と警戒する意見も。
グローバルEV市場の中でテスラの立ち位置
世界のEV市場は拡大を続けているのに、なぜテスラだけが減速しているのでしょう?中国や欧州では価格競争が激化し、テスラの強みだった「ブランド力」や「先進性」が相対的に薄れてきています。特にエントリーモデルや新型車の投入が遅れたことも響いています。今後はより安価な新モデルや、AI・ロボタクシー分野でのイノベーションが生き残りの鍵となりそうです。
今後の展望—決算発表と新戦略に注目
次の注目イベントは7月23日の決算発表。投資家は在庫増加や需要動向、ロボタクシーや新型車の進捗、エネルギー事業(Q2で9.6GWhを導入)などに注目しています。テスラは「自動車メーカー」から「AI・テクノロジー企業」への転換を目指しており、今後の戦略次第で再び成長軌道に乗れるかどうかが決まります。皆さんは、テスラの未来をどう予想しますか?