カーニー首相が決断!カナダ国防費をGDP比2%へ大幅増額、その背景と未来とは?

なぜ今、カナダは国防費を大幅に増やすのか?
みなさんはご存じでしたか?カナダのカーニー首相が、国防費を国内総生産(GDP)の2%まで今年度中に増額すると発表しました。これは従来の2032年目標を5年以上も前倒しする歴史的な決断です。背景には、ロシアのウクライナ侵攻や中国の影響拡大など、世界的な安全保障環境の悪化があります。さらに、アメリカやNATO同盟国からの強い圧力も後押しとなりました。カーニー首相は「今こそ緊急性と決意をもって行動すべき時だ」と強調しています。
増額された国防費、どこに使われる?

今回の増額は数十億ドル規模。新型潜水艦や航空機、艦船、装甲車両、大砲、無人機(ドローン)、さらに北極圏や海底監視のための最新レーダーやセンサーの導入が予定されています。これらは単なる装備更新だけでなく、カナダ北部や北極圏の主権防衛、サイバーセキュリティ強化、そして現代戦への対応力アップにもつながります。軍人の待遇改善や人材確保にも予算が割かれる見込みです。
アメリカ依存からの脱却と欧州連携へのシフト
カナダの防衛予算の約75%はこれまでアメリカとの連携に使われてきました。しかしカーニー首相は「アメリカ依存は賢明ではない」と明言し、ヨーロッパ諸国との防衛協力強化にも舵を切っています。NATOの枠組みの中で、より自主的な安全保障体制を築くことが目標です。欧州の防衛強化計画への参加意欲も表明しており、今後は多国間協力が進む見通しです。
北極圏の安全保障が最重要課題に
カナダは北極圏に広大な領土を持ち、近年は気候変動による航路拡大や資源開発をめぐる国際競争が激化しています。カーニー政権は北極圏の監視・防衛インフラへの投資を大幅に増やし、主権を強くアピール。新型レーダーや無人機の導入、北部基地の拡充などを通じて、北極圏の安全保障を最優先課題としています。
経済効果と国内産業への波及
国防費増額はカナダ経済にも大きなインパクトを与えます。政府は国内サプライチェーンやカナダ製装備品の調達を優先し、雇用創出や技術革新を後押しする方針です。航空宇宙やIT、造船など多様な産業が恩恵を受ける見込みで、地方経済の活性化にもつながります。財源については増税ではなく、予算の効率化や他部門からの再配分で対応すると説明しています。
国際社会の反応とNATO内での存在感
カナダの今回の決断は、NATO加盟国やアメリカからも高く評価されています。これまでカナダはGDP比1.4%程度と、NATO内でも下位に位置していましたが、2%達成で名実ともに「頼れる同盟国」としての地位を確立します。NATO事務総長ルッテ氏は、将来的に3.5%や5%への引き上げも提案しており、今後の議論の行方にも注目が集まります。
今後の展望とカナダの新たな役割
6月末にはNATO首脳会議も控え、カナダの積極的な姿勢がさらに問われる場面が続きます。カーニー首相は「一時的な対応ではなく、持続的かつ戦略的な投資を続ける」と明言。安全保障と経済成長を両立させる新たな国家戦略が始まろうとしています。みなさんはカナダのこの大転換、どう思いますか?